歯ぎしりにボトックス
〜ボトックスについて〜
尼崎駅前歯科のボトックス治療・歯ぎしりのある方へ
歯ぎしりや食いしばりの悩みがある方に、当院ではボトックス注射による治療を行っております。
従来の歯ぎしりの治療では、マウスピースを作って装着することで、歯ぎしりを軽減するというのが一般的でしたが、作ったマウスピースがすぐに壊れてしまったり、毎日の装着が心身のご負担になる場合もございました。そのため当院では、歯ぎしりや食いしばりの治療として、ボトックス注射を導入しております。
ボトックスとは
ボトックス注射は、ボツリヌス菌がもつボツリヌストキシンという毒素を利用し、神経の末端のアセチルコリンという物質の発生を抑えることで、筋肉の働きを抑制します。
毒素といっても安全性は確立されており、美容外科などで10年以上使用されてきた歴史があります。
歯ぎしりや食いしばりの治療においては、強張った咬筋にボトックスを注射し、筋肉の動きを抑制します。
ボトックスの効果で咬筋の緊張が緩むことで、歯ぎしり・食いしばりの症状が緩和します。
ボトックス治療の流れ・時間
当院のボトックス治療は、初診の患者様でも基本的には1時間前後で治療が完了します。 また通院いただく回数も、治療当日の1回と、後日経過観察で1回、計2回の通院だけで完了することがほとんどです。 ただし初診時の診断の結果によっては、当日に処置ができない場合もございます。
01.問診票の記入
当院を初めて受診される方には、問診票のご記入をお願いしております。
02.口腔内の診査・検査(レントゲン、口腔内写真等)
口腔内の診査・検査を行います。レントゲンや口腔内写真、顎角の張りの状態や神経の有無、口腔内の環境などを検査し、歯ぎしりの症状に対してボトックスが有効かどうか、またボトックスの適切な投与量などを判断します。検査結果に応じて、当日の処置ができない場合がございますので、ご了承ください。
03.カウンセリング・診断
カウンセリングを行い、検査だけではわからない、患者様のお悩みや治療へのご不安、ご希望をお伺いします。
04.ボトックス治療
咬筋が緊張している箇所に、ボトックス注射を行います。処置は数分程度で終わります。これで治療は完了となります。お疲れ様でした。
05.効果に応じて再施術
ボトックス治療の効果は、3日〜1週間ほどで現れます。後日経過の観察をさせていただき、ボトックス治療の効果を確認します。またボトックス治療の効果は3ヶ月〜6ヶ月程で失われていきます。定期的に再治療を行うことで、より長く効果を持続させることができます。
当院で使用するボトックス注射
イノトックス(INNOTOX)について
当院では、ボトックスの製造で非常に有名な米国アラガン社とライセンス契約を結んだメディトックス社が開発した、液体型のボツリヌストキシン製剤である「イノトックス(INNOTOX)」をボトックス注射に使用しております。
イノトックスは安全性、持続性に優れており、より効果を実感しやすいボツリヌストキシン性剤だと考えられています。
イノトックス(INNOTOX)の3つの特徴
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安全性
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従来のボトックス製剤は、粉末状になっており、医院で生理食塩水を使用して希釈していました。対して、イノトックスは液体状のため医院で希釈を行う必要がなく、細菌混入などのリスクが低減されます。 また従来のボトックス製剤の保存剤として使用されていた人血清アルブミンは、発熱やじんましん等の副作用が報告されていましたが、イノトックスには人血清アルブミンをはじめとする動物由来の成分が含まれておらず、安心して治療を受けていただけます。
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持続性
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ボトックス治療の効果は、一般的に3ヶ月〜6ヶ月ほど持続すると考えられています。イノトックスは効果が長時間持続することが、MFDS(Ministry of Food and Drug Safety)に承認された臨床試験の結果に現れており、そのほかの試験においても他のボトックス製剤に比べて効果が現れるまでの期間が早いなどのデータが認められております。
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効果
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イノトックスによるボトックス治療の効果は、3日〜1週間程度で実感できることが多く、その後3ヶ月から6ヶ月程度、効果が持続すると考えられています。また定期的に医院で経過観察を行い、効果が失われる前に再治療を行うことで、より長期間ボトックス治療の効果を維持し続けることができます。
歯ぎしり・食いしばりへのボトックスの効果
ボトックス注射を打つだけで、本当に歯ぎしりや食いしばりの症状が改善されるのか、しっかりと効果が現れるのか、と心配されている方も多いのではないでしょうか。 当院の患者様のボトックス注射前後のお写真を掲載しますので、ぜひご覧ください。咬筋の緊張が緩んでいることが、輪郭からも見てとれるかと思います。
歯ぎしりや食いしばりの症状は癖や精神的なストレスなどからくることも多く、咬筋の緊張だけが原因ではないため、ボトックス注射による症状の改善には個人差がありますが、多くの方に対して治療効果が期待できると思われます。 また当院では治療前の診査・検査・カウンセリングにより患者様の症状と原因を把握した上で、治療をご提案させていただきます。ボトックス治療による効果が得られない可能性が高い患者様には、その旨をお伝えし、ほかの治療法についてもご案内します。安心してご来院ください。
ボトックス治療のメリット・デメリット
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メリット
- 歯ぎしりや食いしばりの力が緩まる
- 頭痛や肩こりの改善
- 睡眠障害の改善
- ストレスの減少
- 舌や頬の圧痕、吸引の防止
- 歯の破折や摩耗の予防
- セラミックやインプラントの破損予防
- 顎関節の負担が減少する
- エラの張りを改善する
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デメリット
- 注射の際に痛みがある
- 一時的に噛む力が弱まり食事がしにくいことがある
- 口角が上がりにくく慣れるまで笑顔が作りにくいことがある
- 妊娠中や授乳中は治療が行えない
- 効果は徐々に減少する
- 注射した箇所が内出血を起こすことがある
ボトックスを打ち続けると?
ボトックスの効果は3ヶ月〜6ヶ月ほどで減少していくため、効果をより長く持続させるためには定期的にボトックスの再治療を行う必要があります。しかし何度もボトックスを打ち続けると、なにか問題が起きそうな気がして、ご不安な方もおられるのではないでしょうか。
実はボトックスを何度も打ち続けることにはほとんど問題がなく、むしろ1回あたりの効果の持続時間が長くなると考えられています。噛むための筋肉は4つあり、ボトックスはこの4つの筋肉のうち最も力の強い「咬筋」に打ちます。咬筋の力が弱まっている間は、ほかの3つの筋肉がより使われるようになります。ボトックスを打ち続けると、咬筋以外の筋肉で噛む癖がつくため、徐々に咬筋が弱くなっていくため、ボトックスの効果がより長く続くようになると考えられています。 ただしあまりにも短い期間にボトックスを打ち続けると、抗体ができて効き目が悪くなるとも考えられています。基本的には、一度ボトックスを打った後には、3ヶ月程度期間を空けるのが良いかと思われます。
ボトックスの副作用について
①注射を行った箇所に内出血が起こる場合があります。
②注射を行った箇所に痛み・腫れが生じることがあります。痛みや腫れは通常2日〜3日程でおさまりますが、稀に7日〜10日程続く場合があります。
③噛む力が弱まるため、食事の際に違和感を感じることがあります。特にボトックス治療を行ってか1か月間ほどは、効果が強く現れやすいため、これまで普通に食べられていた物が、うまく咬みきれなかったり、咀嚼に通常よりも時間がかかる、顎が疲れやすくなる可能性があります。
④咬筋が緩むため、口角が上がりづらくなり、慣れるまで笑顔が作りにくくなる場合があります。
ボトックスの効果期間について
ボトックスの効果には個人差がありますが、一般的には3ヶ月〜6ヶ月程度持続すると考えられています。また先述した通り、ボトックスは長期間使用することで、効果の持続がより長くなることがあります。
ボトックスの効果期間は個人差もあるため、一概には言えませんが、一つの目安として『5ヶ月に1回程度、3回治療を行う』ことを推奨しております。
3回目の治療以降は、ボトックスの効果がより持続しやすくなっていると考えられるため、定期的に経過観察を行いながら治療の間隔を伸ばしていきます。
治療費用について
ボトックス治療
咬筋(顎のエラ部分) | ¥27,500(税込) |
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ガミースマイル | ¥16,500(税込) |
オトガイ(梅干し顎) | ¥12,500(税込) |
ALL | ¥55,000(税込) |
Q&A|ボトックス治療のよくある質問
アレルギーの心配はありますか?
アレルギーの心配はほとんどございません。ご心配な方はカウンセリングの際にお申し出ください。
注射はどこに打ちますか?
ボトックス注射は、顎の咬筋という筋肉に注射を行います。抗菌は顎の外側、エラのあたりになります。注射はお顔の表面から行います。
治療にかかる時間はどれくらいですか?
注射の処置そのものは、数分程度で完了します。問診票を書いていただき、お帰りいただくまで、最短で1時間程度で治療が可能です。ただし当日のスケジュールや検査結果などによって、時間は変動しますのでご了承ください。
ダウンタイムはありますか?
通常、ダウンタイムはありません。ただし個人差がありますが、人によっては注射をした箇所に内出血や腫れが起きる場合があります。その場合は2日〜3日程度、最長でも10日程度で症状が治ることがほとんどです。
ボトックス注入の後に、お顔のマッサージや美顔器は使用できますか?
治療当日はお控えください。痛みや腫れ、内出血などがなければ、治療翌日から通常通り行っていただくことができます。
ボトックスを使い続けても問題はありませんか?
体への悪影響はありません。ボトックスの効果には個人差がありますが、1回目の治療で効果を実感できた方は、ほとんどが継続して治療を行われます。
治療後の飲酒・喫煙は可能ですか?
治療当日・翌日はできるだけお控えください。
ボトックス治療は保険診療で受けられますか?
ボトックス治療は自由診療のため、保険は適用されません。